現在ネット状やニュースでよく耳にする裁量労働制。
皆さんもこの言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?
働き方改革を推進するとか、
厚生労働省が裁量労働に関する実態調査をやり直すといったりなど、
今旬の話題となっていますね。
そんな、話題となっている裁量労働制ってなに?働き方改革って?
疑問に思ったり、よくわからないという人もいらっしゃると思いますので
分かりやすく説明していきたいと思います。
目次
裁量労働制とは?
裁量労働制とは・・
裁量労働制は労働基準法の定めるみなし労働時間制のひとつとして位置づけられており、この制度が適用された場合、労働者は実際の労働時間とは関係なく、労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなされる。 業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務に適用できるとされる。
とネットなどで検索すると出てくるのですが、
少々分かりずらいですよね。。
分かりやすく言うと、
労働裁量制とは、雇う側と雇われる側の労働契約の一種の労働形態の事です。
労働時間と成果・業績が必ずしも連動しない職種において適用される形態のこと。
もう少し分かりやすく説明していきましょう。
みなし労働時間という基本の考え方
裁量労働制は、みなし時間労働という制度が基礎的な考え方となっています。
たとえば、
8時間勤務の会社ですと、9時間働いても、
実際に働いた時間に関係なく「8時間働いた」
とみなされるので、その分しか賃金が支払われず、
1時間分の残業代は出ません。
逆に、ある1日に7時間しか働いていなくても、
1時間分の給与が減額されることはありません。
この所定の8時間は、あらかじめ働いたとみなされる
「みなし労働時間」として採用される訳です。
外回り営業は、移動時間があったり等、
実際に労働している時間とそうでない時間の区別が難しいですよね。
その実労働時間の把握が難しい業務に適用される労働時間制度を
みなし労働時間制といいます。
この、みなし労働の一種にあたるのが、裁量労働制で
・厚生労働省令等で定める19の業務と、
・企画業務型裁量労働制 労働基準法で定める、企画、立案、調査および分析の業務
と予め定められているんです。
(どんな業務や職種なのかは、このページの下の方で説明していますので、
詳しく知りたい方は読み進めてください。)
今回の働き方改革とは
安倍政権がその「裁量労働制の職種範囲を増やしましょう」という
計画を打ち立てたのが始まりなんですね。
安倍晋三首相は2016年9月、内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置し、
働き方改革の取り組みを提唱しました。
働き方改革の目的
働き方を自由に選択できる人を増やそうとして、
対応する職種を国マターで増やして行こうという提案なのです。
そして、この働き方改革、背景にあるのは、将来の労働人口の低下です。
- 働き手を増やす(労働市場に参加していない女性や高齢者)
- 出生率を上げて将来の働き手を増やす
- 労働生産性を上げる
今、雇用労働において問題となっている、
・長時間労働
・非正規と正社員の格差
・労働人口不足(高齢者の就労促進)
これらをなくして、労働しやすい環境を先ず作るという事ですね。
裁量労働制の仕事ってどんな仕事があるの?
ちなみに、
裁量労働制には、
「専門業務型裁量労働制」と
「企画業務型裁量労働制」
の2種類があり、
その内の専門業務型裁量労働制には
厚生労働省令等で定める19の業務として、
以下のような職種が定められています。
「専門業務型」の対象業務
①新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
②情報処理システムの分析又は設計の業務
③新聞若しくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務又は放送番組の制作のための取材若しくは編集の業務
④衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
⑤放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
⑥広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係る文章の案の考案の業務(いわゆるコピーライターの業務)
⑦事業運営において情報処理システムを活用するための問題点の把握又はそれを活用するための方法に関する考案若しくは助言の業務(いわゆるシステムコンサルタントの業務)
⑧建築物内における照明器具、家具等の配置に関する考案、表現又は助言の業務(いわゆるインテリアコーディネーターの業務)
⑨ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
⑩有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務(いわゆる証券アナリストの業務)
⑪金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
⑫大学における教授研究の業務(主として研究に従事するものに限る。)
⑬公認会計士の業務
⑭弁護士の業務
⑮建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務
⑯不動産鑑定士の業務
⑰弁理士の業務
⑱税理士の業務
⑲中小企業診断士の業務
上記の19の仕事があります。
裁量労働制のメリットとデメリット
裁量労働制は、労働時間の縛りが無いため、
時間の融通が利くことが最大のメリットとなります。
通常の雇用形態のように、何時から何時まで出社し、
社内で労働するという場合なら勤務時間内は会社に拘束されてしまいます。
しかし、裁量労働制の場合の多くは、出社時間も退社時間も決められていません。
その為、一日の時間を自由に割り振りできます。
子供がまだ小さいお子さんの場合は、朝の出勤をゆっくりとしたり、
風邪を引いた場合は、病院などに連れて行くことも可能でしょう。
また、自宅で仕事も出来る場合もありますね。
要するに、その人その人にあったライフスタイルに合わせて
働くことが出来るという事です。
デザイナーさんなどのクリエーター系の仕事には、
時間にとらわれない働き方があっているでしょう。
一方、裁量労働制にはデメリットもあります。
みなし労働として扱われるため、朝から夜まではたらいても、
所定の時間しか働いていないとみなされることです。
多くは働いた分の残業手当は一切支払われないということになってしまします。
通常の勤務形態から、裁量労働制に切り替わった途端、
残業代がカットされただけになった・・
というケースが発生することも考えられます。
長時間働いている人にとっては、デメリットとなりやすいということですね。
裁量労働制で働く場合は、メリット・デメリットをきちんと把握した上で、
自分のライフスタイルに合うような形になるかどうかをしっかり判断する必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、裁量労働制について説明してきました。
裁量労働制は、みなし労働制の一種。
これらの改革や制度をしっかり整えてもらって、
個人個人が働き方を自由に選べる時代がくるとよいですね!
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